スタッフボイスSTAFF VOICE

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どん底からのクリスマス
サービス担当 宮島です。
1月の雪がちらつくある日のお片付け現場のお話 不動産会社E社より、死後二週間の1Kのお部屋のお片付けを依頼された。
50代男性一人暮らしの部屋には余計なものもなく、目立ってあるとすれば、山のように積まれたスポーツ新聞だ。
そのスポーツ新聞の競馬ページは、自身で予想した馬番の赤丸マークに馬番予想 日々、自身の趣味を楽しんでいたようだ。
机上に、彼の愛用していた2020年と2021年の手帳があり、証券やカードなど 挟まっていないか確認しながら片付けると、人生どん底と書いた嘆きのページが多く、 何か不幸なことでもあったのかと目を通して見た。
どうやら、この二年間は彼にとってリストラや借金問題など、 どうしようもないくらいの出来事が多かったらしい。
家族や相続人も居ない彼は、天涯孤独だったのかと思わされる内容であった。
2022年の手帳がなく、2023年の手帳があり 2023年の手帳の冒頭には、刑務所での出来事や自身の人生を振り返るような 反省の弁などが書き記されていた。
どうやら、2022年は刑務所での生活だったらしい。
懲役など自身で真面目に取り組んだことなどが記載されていた。
2023年の手帳の11月のページに彼が久しぶりに恋をした内容が記載されていた。
出所して普通の生活がもうすぐ一年を迎えようとする彼にとって、今回の恋は、かなり本気のようだ。
お金の無駄遣いをせず、コツコツと貯金をしているようであった。
12月のクリスマスにプレゼントする予定や、年末年始に初詣に出掛ける予定など 日々、書き込まれている。
しかし、その予定を迎えることなく、12月20日に二日間の無断欠勤を心配した会社の上司が 部屋を訪ねたことで亡くなっていることが確認されたのであった。
片付けを進めて行くうち未開封の腕時計Gshockを2箱発見した。
どうやら、クリスマスプレゼントに渡す分と自身分とペアウォッチにする予定だったのだろう。
そんな腕時計と封筒に入った数枚の一万円札や預金通帳など、彼の資産となるもの、そして日記代わりに記載した手帳を一つの箱にまとめ不動産会社E社に預けたのであった。
数日後、不動産会社E社の好意で恋する女性に連絡したところ、 涙ながらに彼の遺品を引き取って行かれたとのこと。
もちろん、その遺品ボックスの中には、腕時計と手帳も入れてお渡ししたとのことであった。





